今回はヴォイニッチ手稿について取り上げていきます。
ヴォイニッチ手稿とは、レヒニッツ写本など、難解な書物の1つです。
ところがヴォイニッチ手稿は長年謎とされてきた中で近年解読されたと発表されたのです。
さっそくヴォイニッチ手稿とは何だったのかやヴォイニッチ手稿の解読について見ていきます。
またここでは注目されていたヴォイニッチ手稿の後ろから29ページ目も解説していきますからご覧ください。
目次
ヴォイニッチ手稿とは
いつ発見されたか
ヴォイニッチ手稿とは、世界中のミステリーでもかなり有名なもので、ネットでもおおいに注目されてきた解読不能とされてきた文書の1種です。
今から約100年前の1912年、ポーランドのウィルフリッド・ヴォイニッチによって発見されたことでヴォイニッチ手稿と称されています。
以後、ヴォイニッチ手稿の内容の解読にいどむ者が続出します。
何が書かれているか
ヴォイニッチ手稿の内容については、複数の解釈がなされています。
錬金術の秘伝書とか宗教書といったものがあります。
さらには、実は意味などないのではないかというものもあります。
誰が今まで解読に挑んできたか
ヴォイニッチ手稿の内容の解読にいどんだ者は複数います。
まず本格的に解読しようというウィリアム・フリードマンという暗号解読のエキスパートが出現し、このような話題を好む人々のあいだでは彼への期待が高まります。
しかしながら、そんなウィリアム・フリードマンですらヴォイニッチ手稿の解読は果たせなかったのです。
もっともヴォイニッチ手稿の内容の解読には失敗したものの、ウィリアム・フリードマンは文章の法則性に気づき、意味がないという説については何とか払拭出来たのです。
さらにヴォイニッチ手稿の解読にいどんだ者には、イギリスの天才数学者のアラン・チューリングもいたものの、彼ですら解読に成功することは叶わなかったのです。
誰によって書かれたか
なおヴォイニッチ手稿の作者ですが、アリゾナ州立大学の研究の結果によれば、文書に使用されていた羊皮紙から年代は15世紀ごろであると分かったものの、作者の特定までには至っていません。
ただ1つの説としては、霊媒師のエドワード・ケリーによって、神聖ローマ帝国のルドルフ2世への献上のために書かれたというものがあります。
そして少なくともルドルフ2世がヴォイニッチ手稿を入手したのは歴史的な事実です。
ヴォイニッチ手稿がついに解読?
絶滅したロマンス祖語で書かれていた
ヴォイニッチ手稿は2019年にとうとう解読したと発表されます。
解読したと発表したのはイギリスのブリストル大学の言語学者ジェラルド・チェシャー教授で、それまで何人ものプロフェッショナルがやっても無駄だったのに2週間で解読できたといいます。
ジェラルド・チェシャー教授は、ヴォイニッチ手稿に使われている言語はロマンス祖語ではないかと推測しています。
ロマンス祖語とは現在のフランス語やイタリア語やスペイン語やポルトガル語の元になったと言われている言語で、現在は使われていない言語です。
炭素年代測定によれば、ヴォイニッチ手稿が書かれたのは15世紀頃だと特定されています。
そしてヴォイニッチ手稿を作成した人物や動機については、ドミニカ修道女によってアラゴン王国王妃のマリア・デ・カスティーリャの参考資料用として作成されたのだといいます。
その他の説:ラテン語説やトルコ語説
しかしながらヴォイニッチ手稿についてはこれだけにとどまることなく、ほかにもまだ複数の説があります。
そこで参考までに他の説についてもご紹介します。
イギリスの歴史学者のニコラス・ギプスも解読したと公表しているものの、こちらは医学書を寄せ集めたもので、婦人病の治療法について記していたとの解釈です。
言語もラテン語であってふつうの表記ではなく略語表記だといいます。
ほかにもヴォイニッチ手稿についてはカナダの電気技師のアメット・アーディックが解読したと公表し、こちらの説ではトルコ語で書かれたと主張されています。
ヴォイニッチ手稿の後ろから29ページ目
ここまでヴォイニッチ手稿について多々見てきましたが、これまでにたくさんの話題を提供してきた文書だけに、インターネット上でも物議を醸してきました。
そしてたくさんネタになったぶん、部分的に注目されていたところも多くあったのです。
そのうち「後ろから29ページ目」というものが特に注目されていますので、これを見ていきましょう。
これは240ページもあるヴォイニッチ手稿の後ろから29ページ目の画像を解読したものです。
その解読結果は、「植物について名前や危険性、食べることが可能か不可能か記してある」というものです。
はたしてどのような専門家の見解だったのかが興味深いのですが、実はこれは2ちゃんねるにスレッドを立てた投稿者の見解だったのです。
スレッドのタイトルはずばり「ヴォイニッチ手稿読めるけど、質問ある?」です。
このスレッドを立てた投稿者は、上記のほかにもヴォイニッチ手稿について複数の見解を示しています。
まずヴォイニッチ手稿の内容については、人間と植生植物の関係やアダムとイブの関係を書いたものと説明しています。
これだけならともかく、この投稿者はヴォイニッチ手稿は危険な存在なので翻訳や解説を世間に発表することは差し控えるというのです。
さらにその理由として悪用されてしまうと語っていたほか、世界は戦争によって滅びると主張するなど、かなりオカルトめいた内容を唱えていたのです。
ヴォイニッチ手稿の全文
ヴォイニッチ手稿の全文を読みたい方は、下記イェール大学の図書館のリンクより閲覧可能です。
https://collections.library.yale.edu/catalog/2002046
ちなみに、ヴォイニッチ手稿は現在イェール大学のバイネッキ貴重書・手稿図書館に保管されています。
まとめ
ヴォイニッチ手稿はその内容に対して複数の解釈が存在した稀に見る難解な文書でした。言語1つ取ってみてもロマンス祖語、ラテン語、トルコ語などまちまちです。
解読したという人物も、大学教授に歴史学者に電気技師とさまざまです。さらにはオカルトめいた内容でネット上で話題になってもいます。
ヴォイニッチ手稿は無数の解釈や話題で人々を魅了していた奇怪な文書だったのです。
ヴォイニッチ手稿、興味深いです。
全文が読めるページで閲覧してみましたが、ページ数がアラビア数字で書かれていることが気になっています。
調べると1500年前後、ヨーロッパでアラビア数字は普及されはじめたが教会などによる禁止もありなかなか行き渡らなかったそうで、羊皮紙の使用もあり、作者はある程度以上の学のある層か、裕福な商人か?
イベリア半島には比較的早くから入っていたらしく、アラゴン王国とは符合するように思える点も面白いです。