マサイ族とは?視力やスマホの活用、身長や食事など解説

アフリカには独自の文化をもった多くの民族がいますが、その中でも世界的に有名な民族がマサイ族になります。

マサイ族は有能な戦士としても知られている部族です。

しかし21世紀の現代アフリカでは、彼らの暮らしも伝統的なものからは離れつつあります。

今回はマサイ族の文化や特徴、そして現代の生活についてご紹介していきます。

マサイ族の概要

マサイ族が住んでいる国は?

マサイ族は東アフリカを中心に住んでいる部族で、多くのマサイ族はケニアおよびタンザニアに住んでいます。

彼らの総人口はおよそ20万~30万人と考えられています。

マサイ族は伝統的には遊牧生活であり、牛やヒツジ、ヤギなどの群れと共に一定の地域を巡るように暮らして来ました。

定住生活を行わないため、正確な人口を国が把握しにくいわけです。

マサイ族の宗教観

(出典:Lisapo ya Kama)

マサイ族の伝統的な宗教はアフリカ最高峰の山である「キリマンジャロ山」の頂上にいる「エンカイ=ンガイ」という名の神さまを崇拝しています。

エンカイは人類と世界を創造した最高神であり、結婚や死や出産などの人生にまつわる重要なイベントを司る神になります。

エンカイの創造した男女の子孫が、一族の先祖となったと伝わります。

マサイ族にとっては牛は聖なる存在でありつつ財産であり、神から全ての牛はマサイ族に与えられたものだという考え方を持っています。

そのため昔は他の民族の牛も略奪することがありました。

全ての牛はマサイ族のものだと神に定められていたことが、略奪の根拠になります。

しかし現在ではキリスト教の普及している割合も多いため、キリスト教徒のマサイ族も数多くいるのが現状です。

マサイ族の伝統的な住居

マサイ族の伝統的な住居(出典:Penn Museum)

マサイ族の住居は簡単な作りをしています。

その主な材料は「牛糞」と「泥」をこねて作ったものです。

日本人の感覚にはあまり清潔には思えない小屋ですが、この小屋をサークル状に連ねて建てることがマサイ族の村の特徴です。

小屋の周りを木の柵で守るようにすれば、マサイ族の伝統的な村が完成します。

この村をマサイ族は「エンカン」という名前で呼んでいます。

夜になればエンカンの柵のなかに放牧していた家畜を集め、野獣から守ります。

マサイ族の食事

ヒョウタン製のボトルから発酵乳を注ぐマサイ族

マサイ族の伝統食は牛乳乳製品、そして牛の生き血になります。

少しだけ傷をつけて、牛から採取した血を飲みます。

近年はトレードで得た炭水化物も食べるようになっています。

米なども一般的に食べています。

家畜の肉を食べることはイベント時のごちそうに限定的であり、あまり豊かな食文化とはいえない暮らしをしています。

なお野菜はあまり食べることがなく、魚を食べる文化はありません。

マサイ族の諸文化

マサイ族の言葉はマサイ語(別名ではマー語)であり、その話者はケニア・タンザニアに130万人ほどいます。

マサイ語は世界を代表する言語系統である「ナイル・サハラ語族」の一つに含まれています。

なおナイル・サハラ語族の話者は1100万人になります。

マサイ族の結婚スタイルは一夫多妻であり、男の結婚年齢は高齢で、女の結婚年齢は若いものです。

マサイ族の労働形態は女性と子供が中心となり、男性は戦士としてしか働きません。

武器以外のものを持つことさえも、成人して戦士と認められたマサイ族には屈辱であったわけです。

マサイ族は伝統的な服装を使い分け、それぞれの服装が社会的な地位や年齢などを表しています。

マサイ族としての成熟に合わせて服装と役割を変えていくことで、伝統的な価値観やアイデンティティーを継承してきました。

日本人の感覚でいえば学生服やスーツなどが近いかもしれません。

見た目でその人物の立場が何となく伝わるようにしているため、戦士と認められた男が戦士以外の仕事をすることは屈辱に感じられるわけです。

マサイ族ならではの能力?

マサイ族は高身長で身体能力も高い

マサイ族は高身長な部族としても知られ、その身長は190センチ台の方も少なくありません。

またジャンプを連続して行うダンスも有名であり、村で最も高く飛べる男が村一番の美人と結婚できるという風習があります。

身体能力の高い人物には尊敬が与えられるという「戦士の部族」というわけです。

アフリカの部族のなかでも脚の速い人々としても知られています。

槍を使って戦うこともありますが、棍棒を100メートル近く投げることも可能です。

かなりの身体能力の持ち主がマサイ族の一般的なイメージになります。

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マサイ族の脅威的な視力

マサイ族の能力として有名なものに脅威的な視力があります。

視力は3.0~8.0なかには12.0に匹敵する人物もいます。

12.0とは日本で用いられている視力検査表を、30メートル離れた場所から正解できるほどの視力なのです。

かつては遺伝的な影響がその視力にあるのではないかと考えられていましたが、都市部で暮らすマサイ族の視力は1.0~2.0とその他の部族や日本人と変わりはありません。

環境要因が大きく影響を与えているものであり、開けた草原での暮らしの結果として、視覚の「ピント」が遠くに設定されています。

マサイ族の視力は遠くを見ることに長けている一方で、手元を見ることが苦手な状態となっています。

マサイ族の成人式はライオン狩り?

かつてはライオンを一人で仕留めることが男の成人式でした。

なお狩るのはオスのライオンだけで、メスは狩りの対象になりません。

それを達成して一人前の戦士=成人した男として認められ、戦士の服と地位を与えられたわけです。

しかし現在ではライオンは保護された動物であり、家畜を襲う個体以外を排除することは許されていません。

現在はスポーツ大会を開き、伝統的な競技を行うことで成人の儀式の代理として行っています。

最近のマサイ族の暮らし

伝統的な暮らしと都市部での暮らし

マサイ族にはあくまでも伝統的な暮らしを守り、サバンナで暮らす人々がいる一方で、仕事を求めて都市部で暮らすマサイ族「シティー・マサイ」と呼ばれる人々も誕生しています。

伝統的なマサイ族は戦士でることと放牧を好みますが、少なくない数がシティー・マサイとして都市部で就職して近代的な暮らしを始めています。

また伝統的なマサイ族のあいだにも観光客相手のビジネスも多く行われています。

旅行客のガイドや、伝統文化を有料で見せるなどのビジネスに従事する人もいます。

マサイ族の暮らしもかなり近代化しているのです。

マサイ族とスマホと電子マネー

スマホを使うマサイ族の男性(出典:iStock)

マサイ族におけるスマホの普及率は高くなっています。

スマホの利便性は日本でもアフリカでも変わりはありません。

マサイ族を始め、アフリカの多くの民族に銀行口座を持つ習慣はないのです。

そのためスマホを「お金を払うためのツール」としても使っています。

電子マネーの使用がマサイ族では盛んであり、スマホは「財布代わり」あるいは「銀行口座代わり」に使われています。

古くは財産を高価な装身具として身につけることを選んでいたアフリカの民族たちですが、現代はその財産はスマホで電子マネーとして管理しています。

マサイ族がスマホを買えた理由

中国メーカーが低価格帯のスマホを販売したことが、アフリカでのスマホの普及を下支えしています。

海賊版製品などの違法な廉価製品や、低い性能の安いスマホなども普及しているため、比較的スマホを安く買うことができました。

スマホを売る側にも電子マネーにアフリカの諸民族の資産を取り込むことができ、また日々の使用料を確保することが可能なため、通信会社もスマホの所有を低価格で済むようにサポートしました。

日本でかかるほどの費用は、アフリカでのスマホの使用にはかからないのです。

マサイ族のスマホの充電

伝統的な家屋の上に太陽電池を設置するマサイ族の少年
(出典:Sphere Solar Energy)

電話、インターネット、電子マネーによる決済など、アフリカでの暮らしをサポートしてくれるスマホですが、マサイ族の村には電線が来ていないこともあります。

スマホの充電方法には発電機を用意してそこから電気を得る、電気が通っている村まで歩いて充電してくる、太陽光発電により電力を自力で確保することなどがあります。

インターネットで得た知識で、自家製の風力発電を完成させた少年もアフリカにはいます。

かなり不便な充電方法であるものの、アフリカのサバンナでスマホを充電することは不可能ではありません。

マサイ族はかなり近代化している

伝統的な文化をそのまま実践することは難しく、良い暮らしを求めて都市部に出て行き現代的な暮らしをするようにマサイ族もなってきています。

サバンナのマサイ族にもスマホの普及が進み、国際的な通信を用いて外貨を稼ぐ人物まで現れています。

マサイ族の文化を発信することで、収入を得るわけです。

ライオン狩りも封じられ、昔のように他部族の牛を襲うことも法律で禁じられています。

また象なども保護されているため、追い払うための攻撃も違法行為として処罰の対象になります。

真の伝統的なマサイ族の暮らしを行うことは、現代ではかなり難しいのです。

まとめ

  • マサイ族はアフリカで有名な戦士の部族である
  • 牧畜を行い、マサイ語を話した
  • 視力が良く、遠くまで見渡せる
  • 乳製品を好んで食べるが、現代では米なども多く食べる
  • 都市部で暮らす者も増えている
  • マサイ族間でもスマホが普及しており、電子決済も行なう
  • マサイ族の伝統的な行いの多くが、現代では禁止されつつある

マサイ族をはじめアフリカの民族の多くは近代化して、かつての伝統は薄まりつつあります。

保護された動物たちを攻撃することは難しく、ゆっくりと法律の支配が強くなっています。

スマホや電子マネーの普及により、大きく近代化が促進されています。

マサイ族などアフリカの民族の文化に触れる機会は、どんどん失われているのが現状です。

近代化が進むことで経済的には豊かになる一方で、文化が消え去ることはさみしくもあります。

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