アポカリプティックサウンドとは?由来や正体、世界の例を解説

世の中には謎の声や音を聞いたと主張する人々がいます。

およそ十年ほど前からアポカリプティックサウンドと呼ばれる音が空から聞こえてきたという報告が世界のあちこちで起きているのです。

今回は謎の音、アポカリプティックサウンドについてご紹介し、その語源となった聖書のエピソードと、考えられている理由についても解説していきます。

どうやら世界の終わりを告げる音が、空から響いているようです。

アポカリプティックサウンドという謎の音

2011年8月11日、ウクライナのキエフでのアポカリプティックサウンド

アポカリプティックサウンドとはどんな音?

アポカリプティックサウンドとは空から聞こえてくる「キーキー」と金属がこすれるような音であること、「ゴォーーン」「ボォーーン」といった重低音であること等が特徴です。

2011年ごろから金属的な音が空から聞こえるという報告が、YouTubeなどの動画投稿サイトやSNS上でなされるようになったのです。

アポカリプティックサウンドは基本的には耳障りな金属音であり、長くそれが響き続けることも特徴になります。

アポカリプティックサウンドの由来はヨハネの黙示録

黙示録のラッパ吹き(出典:wikipedia)

アポカリプティックサウンドとはどういう意味なのでしょうか?

その語源はヨハネの黙示録(もくじろく:アポカリプス/apocalypse)になります。

キリスト教の経典である新約聖書には「世界の終末」を描いたヨハネの黙示録があり、世界の終わりを告げるラッパ吹きの天使たちについての記述があるのです。

ラッパ吹きたちは世界の終わりを告げるために、七つの笛(ラッパ)を吹くとされています。

ラッパ吹きたちの笛は一つ吹くごとに地上に破滅大異変がもたらされていくのです。

七つ目を吹き終われば「最後の審判(さいごのしんぱん)」が始まり、復活した全ての死者が復活したイエス・キリストによって裁かれることになります。

つまり、キリスト教の世界観によれば、ラッパ吹きたちが笛(ラッパ)を吹きならせば「世界の終わりが始まった」ことを意味するのです。

このため空から金属音が聞こえる現象をキリスト教圏では、アポカリプティックサウンド、世界の終わりを告げる天使たちの笛の音ではないかと考えるようになりました。

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アポカリプティックサウンドは世界中で聞こえる?

世界中で聞かれたアポカリプティックサウンド

アポカリプティックサウンドは欧米を中心にして2011年ごろから聞こえるという報告が増え始めました。

基本的にはキリスト教圏でメジャーな現象でしたが、いつしかインドネシアなどのイスラム教圏でも報告が増え、やがては日本国内でも報告が上がるようになったのです。

どうやらアポカリプティックサウンドは世界中で聞こえる現象であり、今のところそれらの音の原因は一部を除いて不明になります。

アポカリプティックサウンドの各国での例

では具体的にアポカリプティックサウンドの報告が出始めたのはどういった時系列だったのでしょうか?

どうやら2011年8月にウクライナのキエフで観測されたという報告が始まりのようです。

2009年にも同様の音を聞いたという報告があるようですが、アポカリプティックサウンドとして有名になり動画が頻出し始めるのは2011年の報告がきっかけになります。

2011年の9月にはデンマークで報告があり、2013年には北欧の国々カナダで、その後はアメリカなどで報告が多発していくことになるのです。

複数の国で報告されたアポカリプティックサウンドに共通点があります。

流行のパターンとしてはそれらの国や地域で、動画が有名になると追従するように報告が増えていったのです。

2015年にはインドネシア、近年では日本でも報告があります。

なお2012年に世界が滅びるのではないかというマヤ文明のカレンダーにまつわる俗説があり、それがアポカリプティックサウンドの流行を助けたのかもしれません。

日本のアポカリプティックサウンド

日本でもアポカリプティックサウンドの報告があげられています。

近年、海外で流行ったあとに報告が増えたようですが、報告の中には同様の音を数十年前にも聞いたという方もいるのです。

日本のアポカリプティックサウンドの音はそれなりに種類があり、ラッパというよりは笛を吹くような音もあります。

キリスト教的な宗教観の少ない日本においては、空から聞こえる甲高さのある不思議な音の全てが、アポカリプティックサウンドと呼ぶようになっているようです。

アポカリプティックサウンドの正体

アポカリプティックサウンドはフェイク?

アポカリプティックサウンドを広めることになった複数の動画については、真実が判明しているのです。

それらはイタズラになります。

空から謎の音が聞こえるという嘘を、スマートフォンで作成してインターネットで公開していたのです。

「およそ1分間で作れた」、「反響がすごくて驚いた」という報告を最初期に流行させた女性は語っています。

音源として使われたのはハリウッド映画の「宇宙戦争」、そして2011年公開の「世界侵略:ロサンゼルス大決戦」のシーンなどです。

いくつもの動画から酷似する音が見つかっています。

アポカリプティックサウンドの動画についてはフェイクが多く作られている可能性を否定できないものです。

しかし、全てのアポカリプティックサウンドがフェイクではなく、実際に謎の音が空から聞こえる現象も起きえます。

アポカリプティックサウンドの原因の候補たち

科学者は個別の案件に対して真剣な調査を行ってはいないようですが、フェイク以外にアポカリプティックサウンドが起きえるいくつかの仮説を提唱してくれています。

1.大気圏内の隕石の爆発:

大気圏内で隕石が燃え尽きる音などが聞こえているのではないかという説です。

隕石はとても速く移動するため、それを目撃できる可能性は低くなります。残響する音だけを聞いているのかもしれません。

2.電磁波説:

雷などの自然現象が起きたときに発生する電磁波は、無線機などの通信設備に雑音として観測されることもあるのです。

また雷のときにしか一般的には自然界の電場を目視することはできませんが、常日ごろから自然界には電場が存在しており、いつでも電磁波やノイズを観測できます。

いわば雷にも近い自然現象の音になりますが、それを耳が拾ったのかもしれません。

3.地震説:

地下で地震が発生している音を聞き、上空から聞こえていると勘違いしているという説です。

アポカリプティックサウンドの多くはエコーがかかっているため、地下空間などで反響した音なのではないかという説があります。

飛躍した説としては、巨大な地下空洞からの音という説もあるのです。

4.飛行機説:

空から聞こえる金属的な連続音としては、最も有力な原因になります。

5.工事現場や車が道路を走る音説:

最も夢がありませんが、可能性としては最大のものです。

そもそも音の性質とは?

音は気圧や気温によって伝わりやすさが変わるものです。

ただし高音が低音になるようなことはありません。

金属質の音が響いて来たのであれば、出所の音も金属質の音なのです。

つまり金属が定期的に鳴り響いている場所が、アポカリプティックサウンドの音源と考えられます。

飛行機などのエンジン、もしくは地上にありふれた工事現場やエアコンの室外機や通風孔などが音源の候補として有力です。

冬などで上空の気温が地上のそれよりも高いときなどは、音が屈折して遠くまで響くこともあります。

地上では届かない音が、上空から届く可能性はこれでも説明が可能です。

低周波音説

また一部のアポカリプティックサウンドは聞こえる人と聞こえない人がいるとの証言もあるため、そういった音の場合は低周波音であることも考えられます。

通常は聞こえにくいはずの低い周波数の音でも、何らかの条件で聞こえてしまうことがあるのです。

大型の風力発電の設備が出す風車の音や、港に入ってきたフェリーなどのボイラーの音が数キロ先の民家のなかにいる人にまで聞こえることがあります。

これは聞こえやすいかどうかの個人差が大きいため、聞こえる人にとっては不快な金属音であるものの、聞こえない人には全く聞こえない音なのです。

一部のアポカリプティックサウンドはこれで説明が可能になります。

まとめ

  • アポカリプティックサウンドは空から聞こえてくる謎の音
  • 語源は旧約聖書のヨハネの黙示録の記述
  • アポカリプティックサウンドは世界中の国で報告がある
  • 流行らせたのはフェイク動画で、音源はハリウッド映画であることも多い
  • アポカリプティックサウンドは自然現象でも説明できるが珍説も多い

個人的には車道の音や通風孔の音に聞こえるものが多く、日常的に聞いている音のように感じるという印象を受けます。

ドップラー効果が起きていない音も多いため、観測している場所から音源は動いていないものもあるようです。

固定された構造物に対して衝突する音や風や振動が、アポカリプティックサウンドの多くを作っているのではないでしょうか?

今のところ事実が明らかになったアポカリプティックサウンドは、ハリウッド映画の音源を使ったイタズラが多いのです。

1 個のコメント

  • 2023年1月29日から30日の深夜に不気味な音が鳴り響いた。自動車・バイク・航空機どれとも違う生物的な叫び声と金属が擦れ合うような何とも言えない音が3回鳴り響いた。1回の長さは20秒から30秒ぐらいで、音源は固定されており移動してるようには感じなかった。
    マンションの外へ出てみようかと一瞬思ったが、あまりに不気味な音なのでベッドから出ることすら身体が拒絶していた。

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