ヒンドゥー教は多神教のため多くの神様がいますが、その中でもガネーシャは特別人気のある神様です。
実際、インド人に「一番好きな神様は?」と聞くと、「ガネーシャ」と答えが返ってくることが多いです。
ガネーシャが彫られている指輪をつけているインド人もよく見かけます。
今回はそんなヒンドゥー教の人気者の神様・ガネーシャについてご紹介します。
目次
ガネーシャとはどんな神様?
ガネーシャは現世利益をもたらすとされ、「商売繁盛の神」「学問の神」として信仰を集めています。
また、あらゆる障害を取り除くありがたい神様ともされています。
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ガネーシャ誕生秘話
ところでこのガネーシャ、最大の特徴は何と言ってもそのゾウの頭ですが、一体どのようにして誕生したのでしょうか。
事の始まりは、ある日「破壊神」ことシヴァ神の妻パールヴァティが息子が欲しくなり、自分の垢(あか)で人形を作ったことにあります。
その人形に魂を吹き込んで出来たのがガネーシャでした。
パールバティは入浴中に自分の体を他人に見られるのが嫌だったため、息子のガネーシャに門番を言いつけました。
これらのことは露知らず、思いがけず夫のシヴァが瞑想のための散歩から帰ってくると、息子のガネーシャは母パールバティから言いつけられた通り、シヴァを家に入れさせまいとディフェンス!
初対面の見ず知らずの息子を前に、シヴァは「何やこいつ?!」とガネーシャと入る入らないの押し問答に。
しまいにはシヴァは怒って、ガネーシャの首を切り落として遠くへ投げ捨ててしまいました。
入浴を終えたパールバティが出てくると、「息子に何をするの!」とシヴァ以上に怒ってしまいました。
シヴァは手下の小悪魔たちに命令して、代わりとなる首の調達を命じます。
そうして手に入れたのがゾウの首でした。
それをガネーシャに取り付けて復活させたのが現在のガネーシャです。
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ガネーシャは日本ではある本で一躍有名に
日本では2007年に出版された『夢をかなえるゾウ』(著:水野敬之)でガネーシャの知名度が一気に高まりました。
同書の主人公は、なかなか自分を変えることができず、失敗続きのごく平凡なサラリーマン。
ある日泥酔していると、インド旅行でお土産に買った置物から関西弁を話すガネーシャが化けて出て、人生の成功法則を説くというものです。
ガネーシャを乗せているのはネズミ
上の画像を見てみると、1匹の動物がガネーシャを乗せているのがわかると思います。
実はこれネズミなんですね。
ガネーシャの巨体を支えているのが小さなネズミというのはいささか不釣り合いな気がします。
ガネーシャの牙が片方折れている理由
ガネーシャの牙は片方折れており、その理由には幾つか説があります。
- インドの二大叙事詩の一つである『マハーバーラタ』の著者である聖者ヴィヤーサは文字が書けなかったため、最高神の一人であるブラフマーがガネーシャに口述筆記するように言った。
その際、ガネーシャは自身の片方の牙を折ってペンにして口述筆記をした。 - パラシュラーマ(ヴィシュヌの化身)がシヴァを訪問した際、シヴァの息子であるガネーシャから妨害され、パラシュラーマは斧で攻撃した。
その斧はシヴァからの贈り物であることを知っていたガネーシャは、避けると失礼になると思い、わざと避けずに牙で防御して折れた。 - ある晩ガネーシャが外を出歩いていると、目の前にヘビが通りかかり、驚いたネズミは主人のガネーシャを振り落としてしまい、その弾みで牙を折ってしまった。それを見ていた月は大笑いし、怒ったガネーシャは折れた牙を月に向かって投げつけ、そのせいで牙はどこかへ行ってしまった。
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ガネーシャの祭り:ガネーシャ・チャトゥルティーとは?
インドでは毎年8月〜9月に10日間ガネーシャの生誕祭、いわゆるガネーシャ・チャトゥルティーが行われます。
特にインド西部マハラシュトラ州の州都ムンバイやプネで盛んに行われます。
このお祭りでは、粘土から作られたガネーシャの巨大な像が街のそこかしこを練り歩き、大勢の人が一緒に踊りながら移動します。最後は川や海に流してしまいます。
管理人のインド人の同僚が満面の笑顔でこのお祭りの説明をしてくれたことを思い出します。何でもみんなでワイワイ踊るのが楽しいのだとか。
ボリウッドの映画からも伝わってきますが、本当にインド人は踊りが好きな国民性だなと思いましたね。
この時期は街の至るところで大小様々なガネーシャ像を見ることができます。
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