カースト制度とは?カーストの意味や階級、関連人物など解説

身分の階級を表す「カースト制度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?よくピラミッド型で表されているものです。

今回はカースト制度とはどのようなもので、それにどのような人物が関わっているのか、またカーストから抜け出す手段などを解説していきましょう。

カースト制度について

カーストの語源

「カースト」は、ヒンドゥー教の身分制度であるヴァルナジャーティをさす英語です。

「カースト」という単語は元々ポルトガル語で「血統」を表す言葉「カスタ」です。ラテン語の「カストゥス」を起源としています。
「カストゥス」とは純粋なもののことで「純血」という意味を持ちます。

一般的に私たちはカーストと呼ぶことが普通となっていますが、インドでは今でもカーストではなく、ヴァルナとジャーティと呼ばれているのです。

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カースト制度とは:4つの身分階級

カーストはヒンドゥー教における身分制度のことだと前述しましたが、1950年インドの憲法17条で廃止となりました。

しかし実際には現在もカーストが原因の差別が繰り返されています。

このカーストのなかには4つの身分階級から構成される「ヴァルナ」が存在します。

【ヴァルナ】4つの身分階級
  1. ブラフミン(バラモン)
  2. クシャトリア
  3. ヴァイシャ
  4. シュードラ

1番上に「ブラフミン(バラモン)」があります。
この階級は、神聖な職につけます。司祭のことですね。

その下には「クシャトリア」といい、王族や貴族なと政治的力や武力を持つ人たちのことです。「王族」や「戦士」と言われます。

3番目に位置するのは「ヴァイシャ」といい、製造業などにつける人たちです。「ブラフミン」や「クシャトリア」を貢納によって支え、後に商人となりました。

「ヴァルナ」の最下位には「シュードラ」と言われる人たちがいます、
古代では人の嫌がる仕事を生業としてきましたが、中世の頃には農耕や生産に関わる労働者として扱われるようになりました。

「ヴァルナ」に属さない者たち

カースト制度のピラミッドの三角形の下に、まだ残っている人々がいます。
彼らは「アチュート」といいます。「不可触民(アンタッチャブル)」ともいいます。

彼らは自分たちのことを「ダリット」と呼びます。「ダリット」とは「壊された民」という意味を持ち、最も人権のない位の人々です。死人や糞尿の処理などの不潔な仕事をさせられます。

カースト制度に関わる人物

マハトマ・ガンジー

マハトマ・ガンディー(出典:wikipedia)

ガンジーはインド独立の父としてとても尊敬されている人です。

1937年から1948年にかけてノーベル賞候補として5回もその名が上がりましたが受賞はしていません。

インド独立当時には、ガンジーは不可触民を「ハリジャン(神の子)」と呼びカースト制度を否定したといわれていましたがそれは事実ではなかったのです。

ガンジーはカースト制度を職業の分担という面から肯定的に捉えていたため、制度の廃止に賛成しませんでした。むしろインドの文化だと容認していたのでした。

ガンジーの中ではカースト制度は分離されているが、その中で平等なのだと考えていたのです。

しかし徐々に彼の中に矛盾が生じはじめました。
彼はカースト制度ではなくヴァルナを好んでいることに気が付いたのです。

しかしそのヴァルナも細分化するカーストに対しては「カーストはなくなれ」という冊子を書くほど嫌っていたのでした。

ビームラーオ・アンベードカル

ビームラーオ・アンベードカル(出典:wikipedia)

アンベードカルはインドの政治家、思想家で、インド憲法の草案を作成した人でインド憲法の父といわれています。

彼はカーストの最下層ダリットの家庭に生まれました。それでも父に勉強を教えられ大学にまで行きました。

インドへ戻り不可触民制度との戦いをし、ヒンドゥー教のマヌ法典が不可触民への過酷な扱いへの根拠となっているとして、彼はマヌ法典を焼却してみせました。

そして仏教へ改宗しました。この時アンベードカルに続けと50万人ものダリットも仏教へ改宗しています。

ダリットの英雄として、現在もダリットの人たちから崇められている存在です。

カーストによる差別と逆差別

児童の差別

ダリットの子供は、寺院買春を強制されています。

子供を買春や重労働に使っても、逮捕されたものが上級カーストならば無罪判決を受けたり、起訴にさえ持ち込めないというのが事実です。

レイプの被害は子供だけではなく大人まで被害に多くあっています。

就学率でもダリットの子供たちはなかなか学校へも行けません。特に女子は出席率が悪いのです。

階級からの差別

違う階級同士の結婚が許されていないカーストは、違う階級同士が恋に落ちただけでも厳しく罰せられます。

なんと自分の親や親族に殺されてしまうのです。

カーストによる逆差別

1950年にカーストの廃止を打ち出したインドですが、その頃から少しずつ低カーストを優遇する措置が取られました。

大学へ有利に入れたり、選挙に出られたりできるようになったのです。

しかし、その反面上級カーストは行きたい大学に入れなくなったりするようになりました。

国の半分以上が低級カーストなので、選挙で当確を決めるのも低級カーストにかかってきます。そのため今低級カーストは優遇されつつあります。

これを上級カーストたちは「逆差別だ」と批判します。

カーストから抜け出せる手段

改宗

インドのカースト制度はヒンドゥー教が作ったものです。

ですからこの階級社会から逃げるためには、改宗するという作戦があります。

アンベードカルがやったように、仏教やイスラム教へ改宗するものが増えたのです。

ITの発達

カーストの低いものでも勉強する機会さえあれば、プログラミングを学びプログラマーになれます。

カースト制度は親と同じ職に就くことが普通ですが、IT関連の仕事はどのカーストにも属していないからです。

ですから努力をして学び知識を身につけることによって、低カーストの人でもIT関連の仕事につけるのです。

そうすればどこにいてもお金持ちになれるチャンスはあるのです。

インドの人は英語が堪能ですから、アメリカと連携して事業をすることも夢ではありません。

これはカースト制度に苦しむ人にだけではなく数多の人に言えることですね。

まとめ

  • カーストはポルトガル語だった
  • カースト制度とは人を階級で差別するものだ
  • ガンジーはカースト制度に賛成だった
  • ダリットからアンベードカルという反カーストの英雄が生まれた
  • カーストには逆差別もあった
  • 今ITが注目されている

インドにおけるカースト制度について解説してきましたがいかがでしたか。

1950年に廃止された制度ですが、今なお根強く残っているのが事実です。

みんなが平等な気持ちになり、インドに本当の平穏が訪れる日が1日でも早くくればいいですね。

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